「理解する」ということ

我ながら、実に無駄な知識を貯め込んできたものだ。
改めてそう思う今日この頃です。

年々と増えるマンガだけではなく、たまには活字の本も購入したりしますが、なかなか自分の身にはなりません。
そもそも、本を読むことがあまり習慣化していない上に、本を読むことが遅いため、途中でやめて、寝かせておくことが多いですね。
何となくで中身はふんわり覚えているので、読み返してもわかることはありますが、それでも昔に比べて記憶力は悪くなってきた気はします。

「若さに任せたプレーはできない」というヤツですね。
あまり、勉強の方法論などは考えずにやってきましたが、ある程度は「理解する」という事を体系立てて考えた方が自分の身にもなる気がします。
枝葉の知識を集めて集めて、それで木のように見せかけても、それは所詮は見せかけなので、幹も根もないあやふやな木は、誰かを木として納得させるものには到底なりえないのだと思います。

そんなこんなで、前置きが長くなりましたが、「理解する」というのは、どういうレベルがあるのか、少し段階を分けて考えてみました。
ポイントになるのは、「誰かに説明ができるか」。言い方を変えれば、アウトプットとして、どの程度の人たちにどの程度の納得をしてもらえるか? ということだと思います。
さらにその軸とは別に自分にとって必要かどうかの評価軸("必要"というのは、自分の仕事や生活にとってどれだけプラスになるか?と考えるとわかりやすい)があれば、自分ができることや足りないことは何か。逆に自分がどれくらいの無駄な知識があるか、などが見えてくる気がします。

以下、私の独断と偏見による、”理解度”へのレベル分けです。

レベル0:全く知らない。聞いたことがない。

レベル1:キーワードを知っている。話を聞いて大まかなイメージが浮かぶ。表面的な説明はできる。
(「個」として事象・知識を把握しているレベル。木を見て森を見ずな程度)

レベル2:聞いている内容が理解でき、かつ他の事項との関連がわかる。大まかな俯瞰ができており、自分と同等かそれ以下の理解度の人にはハッタリで説明して納得してもらえる。
(「個」としてだけでなく、全体感が分かっているので、木だけでなく森もイメージできている。ただ深く突っ込んだ所まではまだ分からない。)

レベル3:1つの事象・知識をきちんと理解し、自分の見解も交えて意見を述べることで相手(数人程度)の納得を得ることができる。
※レベル1の表面的な理解やレベル2の全体感は前提として、レベル1の個別な理解を詳細に掘り下げたイメージ。自分の見解を述べる為には、自分の中で知識や経験を消化しきれていないと難しいはず。
(世間的には多少は"専門性"があるとみなされ、ある程度の報酬を貰える程度のレベル。ただし、発言自体にもプロとしても責務・重さが伴う)

レベル4:複数の事象・知識を関連付けてきちんと理解し、自分の見解も交えて全体から個別へストーリー立てて説明し、相手(数人~10数人程度)から納得を得ることができる。

各事象に対するレベル3程度の詳細な説明についても位置づけ・意図を理解でき、他に関連する別のレベル3程度の理解者への橋渡しができるレベル。
1+1=2というだけでなく3にも4にもできるようなコンサル力もそうだが、「こういう関連で結びついていくだろう」という大きな"筋"が自分の中にあり、そこに対するFit&Gapで自分の知識を現実で直面する問題との折り合いを上手くつけていけるイメージ。
※わかりやすい例を含めて説明できることが望ましい。

レベル5:上記のレベル4の理解・知識を更に昇華し、抽象的な体系だった観点で事象・知識を整理・把握し、説明することができる。大勢の相手に対して、納得を得ることができる。
(本が書けるレベル。講演できるレベル。)
ITILPMBOKのような、体系だったノウハウや実感の伴った理論に基づいた理解ができていないとこうはならない。ここまでの歴史についても語れるとbetter。

自分はレベル1やレベル2くらいには到達することは多くても、レベル3まで到達することは少なく、さらにレベル4に至ってはほぼ皆無と言ってもいいくらいでしょう。
ただ、自分が”専門”とすることについては、レベル4くらいの理解は得ておきたいものです。そういうところを意識して、定期的にOUTPUTもしていかなくては、理解度は高まらないのだなぁ、と。
レベル5は、ちょっと一朝一夕では無理かもですが、ライフワークとしていくべきモノに対しては欲しいレベルですね。

 
また折を見て見直すかもしれませんが、だいたいそんな感じで。
※なんか、イメージ的にキャズムを抜けるようなイメージがレベル2~3への壁な気がしなくもない。そんな発言そのものが理解の浅さを示していますね。イメージ的な大体わかりは効率はよくても、本当の理解とは違うようです。