まっ白な灰だけが残る

ひさびさにバクマン。が読みたくなって読み返してみました。
マンガを描くという悪戦苦闘を上手く少年漫画に表現したいい作品ですよね。

そんな中で自分の心に残ったシーンを無性に残しておきたくなったので、ここに記しておきます。

130ページ (話)の「熱と灰」から。
あしたのジョー』の台詞になぞっらって、シュージンがサイコーに語りかけます。

「真城くんはさみしくないの?」
「同じ年頃の青年が 海に山に恋人と連れ立って
 青春を謳歌しているというのに……」

「シュージンのいう青春を謳歌するってこととちょっと違うかもしれないが
 燃えるような充実感は なんどでもあじわってきた」
「インクだらけの原稿の上で」

「そこいらのれんじゅうみたいに ブスブスと不完全燃焼してるんじゃない」
「ほんのしゅんかんにせよ まぶしいほど まっかに燃え上がるんだ」

「そしてあとには まっ白な灰だけが残る」

 

これは、バクマン。の台詞というよりも、あしたのジョーの台詞というべきなのでしょうが、久しぶりに自分の心に熱くなるものがありました。
おそらく、私は社会人になってからというもの、それかもっと前から完全燃焼をしていなかったのだと思います。
長時間労働とかそういう肉体的な追い込みとかでないにしても、本当に「自分ができることをやりきったのか!?」と問われると、なかなかYesと言えない日々です。

大人になると言い訳ばかりが上手くなってしまい、上手くいかない事や頑張れないことに対しても正当化できるようになってしまいます。
でも、だからこそ、本当に全身全霊を持って打ち込み、失敗しても後悔しないような生き方へ憧れてしまいます。

私はこれから先、まっ白な灰になる程に完全燃焼できるでしょうか?
そういう若さは持ち続けていきたいものだと、強く思いました。


『俺たちは機械じゃねぇ!』

先日、スシローに行ってきました。世間ではIT活用で有名だそうで。
その時に思った事を、冷静に振り返りながらも、書き綴ります。

全体的に違和感があったのは、大きく以下の点です。
・カウンターが何席も空いているので座ろうとしたら、受付登録して番号を発行しろと退けられる
・会計をレジで精算したら、クーポンがない場合はセルフレジでお願いしたいと言われつつ対応される

これらに共通する所は、行き過ぎたIT化によって過剰に人間の行動が単純化・マニュアル化されており、”機械的な”対応しかできてないということではないでしょうか。
まさにタイトル通りのセリフを吐き出したかったです。人間が機械に使われている状態ですね。

上記の対応はどちらも同じ人間の話でしたので、一概にIT化が悪いとは言い切れません。単純にその方のマインドというか、別の記事で書いたコンピテンシーの問題でもあるので、「便利な仕組みに対し受動的であり、決められた職務範囲を守ることに注力する」という状態だったとは考えられます。
しかし一方で、ガチガチのルールの中でも時には柔軟に対応した方が顧客にもスタッフにも相互にとって満足度が高いと判断し、行動できる人もいるはずです。(コンピテンシー高め)

ただ今回のことで、少しIT化が怖くなりました。
AIの導入で人間が奪われる仕事があるという話もありますが、ただ単に業務効率化や管理のシンプル化(管理コスト圧縮など)を目的としたITシステムの導入でも、色々と便利になりすぎると人間の思考を奪い、人間の行動をただのロボットへ促してしまう危険性を孕んでいるということですね。

機械的な仕事ばかりをしていたら、それは仕事ではなくただの作業になってしまう、という台詞を倍返しする某ドラマで聞いたことがありますが、まさにその通りだと思います。
ただお金を貰う為のパートタイムの仕事だったので作業でも構わない、という価値観もあったかもしれませんが、同じ時間働いて対価を得るなら、自分の場合はもう少しその中でもやりがいを見つけて顧客に価値を提供できればいいかな、と思いました。


ちなみに、タイトルはあるマンガが元ネタになっています。
人生の中で一度は言ってみたい台詞ですね。もちろん、違和感のない文脈の中で。

世の中の大体のことはマンガでわかるようにできている

「マンガでわかる」っていう本、多いですよね。

基本的に私はマンガのような単純な考え方から絵やイメージで理解することが多いので、図表が一切ない文章だけの活字の本で勉強するよりも、所々で図示して説明してくれる本の方が自分にとってはわかりやすいです。

重厚感がある本は、それこそ「読破してやったぜ!」というドヤ顔をしたい見栄がモチベーションの一端となっている気がしてしまいます。ゆえに本を通して知識を得たいという当初の目的から逸れてくる気がするので、なかなか手がでません。とはいえ、世間で色々と言われている情報が独り歩きしているような場合は、原著にあたる、という姿勢が重要であるとは重々承知しているのですが。

さて、前置きが長くなりましたが、最近読んだ以下の「コンピテンシー面接」の話が非常にわかりやすかったので、未読の方や未来の自分の為にもここに書き残しておきたいと思います。
ポイントは、アビリティ (Ability) とコンピテンシー (Competency) の違いを明確に分けることです。

■まんがでわかるコンピテンシー面接
https://www.amazon.co.jp/dp/4335450591

アビリティ (Ability) とは、「能力」や「できること」ですが、コンピテンシー (Competency) も辞書を引くと、「能力」と出てきて違いがわかりづらいです。
コンピテンシーという用語には「職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性のこと」という意味も辞書にはありますが、この「行動特性」というのがどういうものかがイマイチわかっていませんでした。(今回、上記の本を読んでスッキリしましたが。)

これらの違いは、例えばRPGやマンガのキャラクターをイメージするとわかりやすい気がします。

まずアビリティですが、「こういうことできるぜ!」と言っているだけです。白魔道士なら白魔法、黒魔道士なら黒魔法、剣士なら物理攻撃が使えますね。これらはアビリティです。
アビリティは履歴書に書けるような、わかりやすい"外面的な"能力です。特技がイオナズンだとすると、そう書けば良いのです。
現実社会だと、特定の資格・検定や語学力などが典型的なアビリティですね。わかりやすく、評価しやすい、表層的な”能力”です。

一方でコンピテンシーとは、一言でいうなら「やりきる力」です。成果を意識し、成果を実現できる力という説明が本の中でもありましたが、アビリティと違ってよりその人物の奥底にある"内面的"な能力です。私は両方とも「力」という方がわかりよいのですが、世界はそれを「行動特性」と呼ぶようです。※この用語のしっくりこない感じが、私が「コンピテンシー」をイマイチ理解できていなかった理由だと感じています。
何かしらの困難にぶつかった時にどういう風に切り抜けるか? を問われた時に自然とにじみ出てくる自分の中の行動原理といいますか、「どんな時でも、俺がどうにかしてやる!」という少年マンガの主人公のような熱いパッションが、すなわちコンピテンシーです。

アビリティは目に見えやすく、コンピテンシーは目に見えづらい。ただ、アビリティはコンピテンシーのような行動特性や、ひいてはマインド・価値観の土台の上に成り立つものなのです。

実際に会社で仕事をする場合は、アビリティが高いに越したことはないですが、仕事に関係ないアビリティは冷たい見方をすれば必要ないですね。アビリティは色々な種類を持てますが、自分の仕事に繋がるアビリティが少なければあまり意味はありません。
コンピテンシーは「なんとかする力」なので、仮にアビリティが低くてもコンピテンシーが高ければ、その人はどうにか仕事をやりとげようとします。自分にできないことは他人に任せるとか、受け身にならずに自分にできる最大限のことをやり遂げます。場合によっては、取り組むべき状況や周りの環境に働きかけ、前提条件や制約条件を変えてより前に進めることもコンピテンシーが高ければできます。

一部の方にしか伝わらないかもしれませんが、少年マンガの『烈火の炎』の話が良い例になるかと思います。(ネタバレにはなりますが、ご容赦ください)

主人公の烈火は名前の通り、火を使うことができ、それがアビリティです。
立ちふさがる敵を彼は自分のアビリティを駆使して倒していましたが、ある日に強敵の水鏡が現れます。水鏡は名前の通り、水を使うアビリティがありました。水を剣にして戦うのです。
この時烈火は苦戦し、一旦は敗北を喫します。火は水と相性が悪く、烈火のアビリティは圧倒的に不利だったのです。
しかし、烈火は諦めません。大切な仲間(姫)を救うため、もう一度立ち上がります。
同じことの繰り返しかと思われましたが、烈火は勇気を持って接近戦に持ち込み、なんと火で水を消すという奇策に出ます。強い火で無理やり水の剣を沸騰させようというのです。
結果として烈火は勝利を収め、連れ去られた仲間を連れ戻すことができました。

どうでしょうか? 烈火はコンピテンシーが高いとは思いませんか?
単純なアビリティだけの評価であれば、火と水なので水の方が圧倒的に有利ではあるのですが、その逆境を跳ね除けて成果を成し遂げるのは、彼の強さだと強く思います。
烈火に限らず、少年マンガの主人公は概してコンピテンシーが高いのではないでしょうか?
ONE PIECEのルフィも、アビリティはゴムゴムの実という微妙な能力ではありますが、最後は敵を討ち果たしてくれます。高いコンピテンシーですよね。早く海賊王になる姿が見たいですが、まだ道半ばという所でしょうか。


色々と話が逸れて長くなったかもしれませんが、コンピテンシーを鍛えること、たとえ困難な状況でもやり抜こうとする力は、最終的には「生き抜く力」にも繋がっている気がします。
仕事やキャリア形成の話にとどまらず、「どう生きるか」という生き様こそが、その人のコンピテンシーに繋がっていく、と感じました。
短期的なアビリティ向上だけではなく、中・長期的なコンピテンシー向上を目指し、誇り高く生きたいものですね。

ITILの響きは「ITる」って動詞みたいじゃね

とりあえず、ブログはじめてみました。
不定期かつ心の赴くまま、徒然なるままに書き綴っていければ幸いです。

さてさて、個人的にITILに興味が再度湧いたので、昔買った本を読み返してみました。突発的にくる発作のようなものです。お気になさらず。
ざっと見ただけでも、数年前より理解が高まっていることを実感。やはり、経験値ならぬ「経験知」という下支えがあるからでしょうか。

特にサービス・オペレーションについては、きちんと体系だった知識を整理・習得した上で実際に活用できるレベルに至らなければ絵に書いたモチにしかならないと、経験上の自戒も込めて痛感です。
ITILの基礎をちゃんと理解しておくことは、IT・ITしたシステムづくりに関わる場合に限らず、重要なことのように感じる今日この頃です。
※ちなみに、ITILが何かわからない方は適当にググれば色々出てきます。イメージで言うと、こんな感じ。
「ITの構成要素は置いておくとして、結局ITが顧客に提供する価値って”サービス”だよね?」
「ITサービス提供までのノウハウって、結構他の分野にも活かせるんじゃね?」
「じゃあ、それ。まとめちゃいますか」 (すったもんだで、第3版)


ただ、Google先生はいつも私達に新しい情報を提供してくれますが、ITILもv3でなくITIL v4の時代のようですね。
私の検索戦闘力 (5) では、2019/1/11時点では日本語でいい感じの記事がないようですが、今年の春~夏にかけて、徐々にWebサイトや書籍などにも日本語の情報が出てくるんでしょうか。
別にITILを極めたいと思っている訳ではない怠け者の私は、そういう時期まで家康の気分で待つことにしますが、英語では例えば以下のブログ記事がありました。(期待感をあおる劇場版の宣伝広告みたいな情報しかないですが)

 

ITIL V4: Intro to the 2019 ITIL Update (bmc blogs)

www.bmc.com 
単語を拾うだけでも、アジャイル、DevOpsが入るだけで時代の流れを取り込んでいる感がありますね(タイミングが10年くらい遅れている気がするのは、様々な経験の積み上げの結果であるベスト・プラクティスに必要な期間であったと割り切ります)

特にアジャイルについては、Design Thinkingと相性がいい気がするのは、私だけでしょうか?
「これからの時代は変化が激しく、、、うんぬん」という話はどこでも見かけますが、そういう場合にどう考え、対応していけば運用しやすくかつ失敗した場合の知識体系も溜まっていきやすいか、という事への大きなヒント(というか半分以上の答え?)になるのではないかという期待が高いです。
イノベーションの日々というと大げさかもしれませんが、細かい(小~中)修正の積み重ね頻度が多い業界・職種の方には、既に経験上知っているノウハウを整理して見直し・再構築するいい機会になるのかもしれませんね。

serverless, containers, microservices, and multi-cloud にも言及する、ということで、ここはやや技術寄りな気がしますが、構成要素の大きな変革として構成(CI)管理にも影響するのでしょうね。以前よりも可用性が上がるなど色々あるのでしょうか。

個人的にはmicroserviceへ期待しています。
ITIL Service Strategyの中でもBusiness寄りの部分にも踏み込んで、うまく業務プロセスとmicroserviceとの対応関係をつけつつ、ITIL Service Design、ひいてはITIL Service Transitionでより具体的な形にしていけば、BPM (Business Process Management)しやすいんじゃないかと。
そう。それはまさに、EAっぽくなりますね。ETじゃなく、EA (Enterprise Architecture)のことです。

EAは雰囲気しかわからないので、あからさまに知ったかぶりますが。
ITILで言及している範囲は結構広く、土台の方からいくとTA (Techinical Architecture)、IA (Information Architecture)、AA (Application Architecture) は元より含んでおり、なおかつBA (Business Architecture)にも及んでいるというのが私の理解です。
そうでないと、ITIL Service Strategyって何なんだ?っていう話ですからねw

実際の事業ドメイン定義の話などより経営層に寄った話になってくると経営戦略的な要素の1つに過ぎないIT戦略はBAの全てになりうる訳ではないでしょう。ただ、ここまでITが普及した昨今ではITを用いずにBusinessとしての価値を提供するのは難しいでしょうから、ITを含めて考える経営戦略は至極真っ当なアプローチであると考えます。
IT基盤がその企業の差別化要素を担っている場合も多いので、それらを管理し、持続的に改善していく為の知識体系であるITILの重要度は今後ますます高まっていくのでしょうね。


やべえ。
ここまで書いていたら、すごくITILを勉強したくなってきた、というか、勉強しなければならないという衝動に駆られました。
ただ、気が多い性分なので、今後も脈略なく、色々と関係のないことを書いてしまう気がします。

だいたいそんな感じで。よろしくです。